趣味で勉強していた日本語を使った仕事がしたかった
私は語学への関心もあって、文字も違って非常に難しいと言われている日本語の勉強を、趣味として始めました。2000年から勉強していますが、日本語と英語を使って、日本とインドをつなぐ仕事がしたいと思っていました。本格的に日本語の勉強をするために大阪大学に留学をしていました。そんな時に出会ったのがIBJで、学生アルバイトとして、ウェブスタッフの大阪支社で勤務をさせていただいていました。アルバイトでの経験を通じて、徐々に会社のことを知ることで、自然と会社の文化にも興味を持つようになりました。
日本とインドをつなぐPIITs
私は現在、PIITs(ピート)というプロジェクトを担当しています。これは、理系分野ではトップクラスと言われているインド工科大学の各校(IITs)を回って、日本に興味のある学生を集め、スクリーニングした上で、日本企業に紹介するというものです。マッチングした学生は、夏休み期間を使って日本でのインターンシップを実施します。最終的には、日本企業での正規雇用機会を獲得することを目的としています。
具体的な仕事内容としては、IITとの関係構築に始まり、学生の選定、ビザ関連の書類作成やサポート、航空券の予約、正規雇用に係る契約書等の翻訳に至るまで、すべてが担当範囲です。学生と日本の情報を共有し、日本のマナーやビジネス文化を説明することも含まれています。
さらに、日本企業への働きかけも大事です。一番大変だと感じるのは、インド側の採用スピードと日本企業の採用スピードを合わせること。インドの採用活動では、1日で選考を終わらせて、その日に最終面接の結果が出ることが多いです。日本企業では、複数日に渡って面接が行われることが一般的です。日本語が全くできない学生相手では、さらに時間がかかります。しかし、日本企業が選考している間に、内定を出した他の企業に学生が就職してしまうケースもあります。こうしたインドの採用事情を日本企業の人事担当者の方に説明を差し上げて、スピーディな意思決定をお願いするのも私の仕事です。
学生が社会人へと育つ成長を間近で見る喜び
実は当初、IBJにすぐに入社できない家庭の事情がありました。しかし、ウェブスタッフのインド支社の立ち上げのお話をお伺いして、このチャンスを掴みたいという想いで、入社を決意しました。インドの現地で働けることで、仕事と家庭の両立が可能。さらに、日本語能力も活かせる上に、インド人としての知識や経験も活かせるという、まさに私にうってつけの仕事でした。新しいビジネスの立ち上げに関わるということは非常にチャレンジングなことです。なんとか結果を出したいと必死にやって、「インドと日本をつなぐ架け橋」になろうと努力しています。
そして立ち上げたのがPIITsです。キャンパスリクルーティングを行い、学生たちと卒業の1年半前から入社するまで、そして入社してからもずっと連絡を取っています。約2年にわたる交流によって、学生の変化・成長を目の当たりにすることができます。自分の仕事を通じて、彼らが学生から一人前の社会人へと成長していくことが非常にうれしく、私のやりがいとなっています。